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リンパ浮腫の原因は?
リンパ浮腫は原因が明らかでない原発性リンパ浮腫と、がん切除後などに起こる続発性(二次性)リンパ浮腫に大きく分けられます。
日本では続発性(二次性)リンパ浮腫が多くを占め、原因として次のようなものがあります。
下肢(足)のリンパ浮腫
- 子宮がん手術
- 卵巣がん手術
- 前立腺がん手術
- 外陰がん手術
- その他腹腔内のがん手術
- 鼠径部リンパ節郭清
- 骨盤内リンパ節郭清
- 放射線治療
- 一部の抗がん剤治療
など
上肢(手・腕)のリンパ浮腫
- 乳がん手術
- 腋窩リンパ節郭清
- 放射線治療
- 一部の抗がん剤治療
など
リンパ節を取ることで発症
乳がん、子宮がん、前立腺がんなどの治療で、手術によりリンパ節郭清(かくせい:がん細胞などを切除すること)を行う場合があります。
リンパ節を取ることで手足の末梢から中枢へと向かうリンパの流れが悪くなり、リンパ液がうっ滞してむくみの原因となります。
またがん切除以外にも、放射線治療や一部の抗がん剤治療も浮腫の原因となります。
リンパ浮腫の症状は?
症状は様々で生活に支障を来すようになることも
リンパ浮腫が発症するタイミングには個人差があり、がん切除後などにすぐに発症するケースもあれば、10~20年たってから発症するケースもあります。
また現れる症状も様々で、初期では手足のむくみ・だるさ・重さなどですが、進行すると下肢の周径に左右差が出てズボン・靴が履きにくくなったり、関節が曲がりにくくなって字か書きづらい、正座しにくいなどの生活に支障をきたすようになることもあります。
このようにリンパ浮腫は患者様のQOL(生活の質)に大きく影響し、手足だけでなく、顔面や胸、腹部など全身の様々な部位で発症する場合もあります。
QOLだけでなく命に関わる恐れもあります~蜂窩織炎(ほうかしきえん)~
リンパ浮腫の合併症で特に注意しなければいけないのが、“蜂窩織炎(ほうかしきえん)”です。
全身を巡る血管は免疫反応により体内に入り込んだ細菌から守ってくれますが、リンパ管は免疫細胞の通り道でもあるため、リンパ液がうっ滞すると皮膚から皮下脂肪にかけて細菌が繁殖してしまい、皮膚が赤く腫れて熱を持ったり、患部を押すと痛みを感じたりするようになります。
重度の蜂窩織炎では39~40℃という高熱が出て入院が必要になるケースもあり、最悪の場合、敗血症となり命に関わる恐れがあります。
リンパ浮腫のその他の合併症~象皮症(ぞうひしょう)~
リンパ浮腫のその他の合併症として、象皮症(ぞうひしょう)があります。
これはリンパ液のうっ滞により皮膚から皮下組織が厚くなり、イボ・トゲ状の象のような硬い皮膚のような状態を呈する皮膚疾患です。
リンパ浮腫でお悩みの患者様の中には、インターネットで調べて象皮症の画像をご覧になり、「自分もこんな状態になるのか…」と不安になる方もおられるかもしれませんが、早期に適切な治療を開始すれば、象皮症への進行は回避することが可能です。
大切なのはすぐに治療を開始すること
蜂窩織炎や象皮症、また珍しいものとして血管肉腫など、こうした合併症を起こさないためには、むくみなどの違和感を覚えたらすぐに専門クリニックを受診することです。
また、放置していると皮膚・脂肪が炎症を繰り返して硬くなったり、リンパ管の閉塞を招いたりする恐れがあります。
このような状態になると元の状態へ戻すのは困難になりますので、お早めに大阪あべのリンパ浮腫クリニックへご連絡ください。
当クリニックはリンパ浮腫診療に特化したクリニックで、リンパ浮腫の治療として“リンパ管静脈吻合手術(LVA)”が日帰りで受けられます。